キリムとは、遊牧民や農耕民の暮らしの中で育まれてきた、平織りの絨毯のことです。その歴史は4000〜5000年前にまで遡るといわれ、パイル織りのペルシャ絨毯よりも古い起源を持つとされています。もともとは床敷きだけでなく、テントの仕切りや家財道具を包む袋など、日々の暮らしの道具として織られてきました。

模様に込められた意味

キリムに織り込まれる幾何学模様には、それぞれ意味が込められています。羊の角は豊穣や力強さ、生命の樹は繁栄や再生、水を表す模様は恵みの象徴とされ、魔除けの意味を持つ文様も少なくありません。文字を持たなかった遊牧民にとって、これらの模様は想いや祈りを伝える大切な手段でもありました。地域や部族によって模様の意味や呼び方が異なるのも、キリムの奥深いところです。

手織りと草木染めについて

当店で扱うキリムの多くは、茜(あかね)、インディゴ、クルミ、ザクロといった植物や鉱物を用いた天然染料(草木染め)で染められています。化学染料に比べて発色は穏やかですが、使い込むほどに色が深まり、味わいのある経年変化を楽しめるのが魅力です。織りムラや色のアブラッシュ(濃淡のゆらぎ)も、手仕事ならではの表情としてお楽しみください。

キリムとギャッベの違い

キリムが縦糸と横糸だけで模様を織り出す平織りの絨毯であるのに対し、ギャッベは毛足のあるパイル織りの絨毯です。ギャッベはイラン南部のザグロス山脈に暮らす遊牧民(ゾランヴァリ族なども含む)によって織られ、素朴でおおらかな柄と、ふかふかとした厚みのある踏み心地が特徴です。当店では、平面的で軽やかなキリムと、あたたかみのあるギャッベの両方を取り揃え、それぞれの魅力をご紹介しています。

日本の暮らしとキリム

ウール素材のキリムは通気性がよく、湿気の多い日本の気候にも意外なほどよく馴染みます。畳や無垢材のフローリングとの相性もよく、和室・洋室を問わず空間にあたたかみを添えてくれます。お手入れは基本的に掃除機がけと、時々の陰干しで十分です。定期的に敷く向きを変えていただくと、日焼けや毛の摩耗を均一にすることができます。(詳しいお手入れ方法は、店頭でも個別にご案内しております)

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